東京、2011年5月14日
クウェート大使館で東日本大震災復興支援チャリティーバザー開催
駐日クウェート国大使館は、東日本大震災の被災者支援を目的としたチャリティーバザーを5月14日(土)に開催し、会場となった大使館は多数の来場者で賑わった。駐日クウェート国大使アブドゥル・ラーマン・アルオタイビの意向により、このチャリティーの収益金は日本赤十字社に寄付される。 大使館に設けられた販売所には、クウェートの民族衣装、工芸品、食品、お菓子、コーヒーなどが置かれ、大勢の人で賑わった。アラブ書道や民族衣装を着て撮影するフォトコーナー、ヘンナ(染料)アートなどに加え、アラブ音楽、福引きなどのイベントも開催された。クウェートは、アラブ諸国で唯一東日本大震災の被災者の為、チャリティーバザーを日本で開催した国となる。
元防衛大臣の小池百合子自民党総務会長は、来賓挨拶で、クウェート国大使館のイベント開催を賞賛し、「日本国民と政府、特に被災地の人々に代わり、クウェート国首長シェイク・サバー・アハメッド・アルジャビール・アルサバー閣下とアルオタイビ大使に感謝する。クウェートは震災直後から、敏速かつ的確に行動を起こしてくれた」と述べた。さらに、クウェートから日本への5百万バレル(約550億米ドル、約420億円相当)の原油を無償提供にも触れ、「日本国民は、クウェートが今回示してくれた友情と思いやりを忘れない」と述べた。
中山義活経済産業大臣政務官は、来賓挨拶で、クウェート政府と国民によるチャリティーバザーと義援金を通じた日本への支援に感動したと述べ、アルオタイビ大使が、先月被災地を訪れ、サッカーボール、文具、食料、日用品物資支援を行ったことについても賞賛した。また、中山大臣政務官は「大使の訪問が被災者、特に子供達に安心、勇気、希望を与えた」と述べた。
マグニチュード9.0の大地震と津波は東北、東日本で2万6千人の死者を出した。
アルオタイビ大使は、クウェートの日本復興支援について、「私達は、被災者の方々の苦悩を少しでも和らげたいと考えている。日本は必ず復興し、以前より強い国になると信じている。今回、在日クウェート人の安全確保と、このチャリティーバザーの成功の為に懸命に働いてくれた外交官と大使館スタッフにも感謝したい」と述べた。また、クウェート政府の大使館継続という賢明な判断と、チャリティーバザー支援に対する感謝の意を述べた。
同大使館の近くに在住の30代の女性は、「表に張ってあったバナーを見て、立ち寄った。被災者支援の為のチャリティーバザー開催は、とても素晴らしいアイデアだと思う。福島の原子力発電所の事故後、他国の大使館が閉館し外交官を国外避難させていたのに対し、クウェート大使館の的確な判断と支援に感動した」と語った。家族で来場していた男性は、「大使館に来るのは初めて。このバザーは被災地復興支援だけでなく、日本とクウェートの文化交流としてとても意義がある」と述べた。
駐日エジプト・アラブ共和国大使ワリード・アブデルナーセル閣下は、復興支援を主導しているアルオタイビ大使とジャミーラ夫人を絶賛し、「これは、クウェートとアラブの国々が日本にどれ程感謝し、慕っているかを示すとても良い機会となった」と述べた。また、駐日パキスタン・イスラム共和国大使ヌール・ムハマド・ジャドマニ閣下は「このイベントは義援金を集める目的以外に、クウェートと国際社会が日本と団結している事を証明する良い機会になった」とし、「日本は、パキスタンや他国が震災に見舞われた際に援助をしており、今回は私達が日本を援助する番だ」と述べた。