2014年3月10日(東京)
クウェート日本友好議員連盟議員団、岸田外務大臣を表敬訪問

日本を公式訪問中のクウェート日本友好議員連盟議員団(団長:カリール・アブドゥッラー国民議会議員)と岸田文雄外務大臣は、両国間の交流関係のさらなる拡大に傾注することを確認した。会談の冒頭、岸田外相は、クウェート国と日本との50年以上に及ぶ協力関係には目に見えて進歩がある、と満足感を示しながら、最近両国の首脳がそれぞれの国を訪問したことに触れた。

クウェート国首長シェイク・サバーハ・アルアハマド・アルジャーベル・アルサバーハ殿下が2012年3月、国賓として訪日したことに続き、安倍晋三日本国内閣総理大臣は昨年、クウェート国を訪問した。

「両国間の活発な交流が、政府レベルばかりでなく議会レベルでも見られることは、嬉しい限りです。皆様方の訪日によって、クウェートと日本の絆はさらに拡大するでしょうから、この訪問はとても意義深いものであります」、と岸田外相は述べ、「両国は、包括的パートナーシップを強化することで一致したことでもありますし、私も議員交流が今後も継続して、両国間の関係強化に寄与することを期待します」と続けた。さらに政府が11日に東日本大震災3周年の追悼式を開催することと、この式典にクウェート国の議員団も招待されていることを受け、岸田外相は、地震と津波で甚大な被害を受けた日本への連帯を示し、最大の支援を行ったクウェート国への日本国からの感謝の意を表した。「クウェートからの支援は、日本国民の心に明瞭に刻み込まれています」、と外相は述べた。

東日本大震災後、クウェートは日本に対し、復興支援のために500万バレルの原油、およそ5億米ドル相当を贈呈した。さらにクウェートは、震災で深刻な被害を受けた海洋科学博物館、アクアマリンふくしまに対して300万米ドルを、日本赤十字社に対して200万米ドルを追加で拠出した。これらの支援は、被災地で、鉄道の新車両の購入や子供のケアセンターの設立などの復興プロジェクトに役立てられている。

会談後、アドナーン・アブドゥルサマド国民議会議員は、国営クウェート通信とクウェートTVに対し、両者は、二国間の協力関係の進展のために、両国の国会、国民議会が貢献する方策についての意見交換を行ったと述べた。

この点において岸田外相は、2012年3月に署名された両国間の投資促進・保護協定の早期発効の重要性につき言及し、日本側の国会はすでにこの協定を承認したと付言した。

クウェート側は、クウェートのオフセットプログラムが、日本企業のクウェートへの投資の大きな妨げになっているということを認識している、とアブドゥルサマド議員は述べた。日本の政府も企業も、このオフセットプログラムの廃止を繰り返し求めており、その廃止がクウェートでの日本企業のビジネス環境の向上につながるとしている。

この会談には、駐日クウェート国大使アブドゥルラフマーン・アルオタイビ閣下も出席した。アルオタイビ大使は、1961年のクウェート国独立以来の日本との歴史的繋がり、とりわけ1990年から91年の湾岸戦争時に日本が果たした役割を称賛した。今次の国民議会議員団には、他にファイサル・アルドワイサン、マジェド・アルムタイリの両議員も参加している。この日午前中には、議員団は公益財団法人癌研究会有明病院を視察したのち、国会審議を見学した。

議員団はこの他に、日本滞在中に公共輸送施設や風力発電所の視察を予定している。アブドゥッラー議員団長は国営クウェート通信とクウェートTVに対し、「クウェート議員団は、今回の訪日が、両国にとって有意義な結果をもたらすものにしたいと真剣に考えている。このため、日本の専門技術や経験についての見識を深め、情報を共有し、共同プロジェクトの立ち上げに向けて相互協力の方策を探るために、これらの施設を視察する。癌研については、将来的にはクウェート国から患者を日本に移送したり、共同研究を行ったりといったことに興味がある」、と述べた。

(記事の原文:国営クウェート通信石神特派員、翻訳と写真:大使館)