2015年11月17日(東京)
アルオタイビ・クウェート国大使、東京外国語大学で講演、学生達と交流

アブドゥルラフマーン・アルオタイビ駐日クウェート国大使はこの日、講演を行うため東京外国語大学を訪問した。この大学は、世界中の地域の言語、文化、地域研究を専門とする国内有数の大学で、最古の国立大学のひとつでもある。

大学到着後、アルオタイビ大使は、言語文化学部でアラビア語を専攻する学生達との交流会に招かれた。アラビア語を専門とする青山弘之教授よりアラビア語での紹介がなされた後、大使はクウェート国の概要、教育環境や学生生活について、アラビア語でブリーフィングを行った。続いて大使は学生達に、質問やコメントをアラビア語で促した。これに応じて数人の学生達が、素晴らしいアラビア語で、アラブ世界についての印象を語った。

学生達は、アラブ世界全体について、特にクウェート国についての強い関心を表明し、アラブ世界を訪れて、文化や歴史遺産についての理解を深めたいと述べた。大使は、学生達がクウェート国を訪れてその歴史や習慣への理解を深めること、そして大学への入学を、大使館としてあらゆる方法で支援したいと応じた。

続いて大使は、東京外国語大学立石博高学長、副学長らとの会談に臨んだ。立石学長は、同大学の歴史は1873年に遡ると紹介し、同大学の付属機関や研究施設についての説明を行った。大使は、同大学が長年にわたって国際社会の最前線で活躍する優秀な人材を育成するのに貢献してきた、その主導的役割を称賛した。続いて両者は、日本で勉強するクウェート人留学生を増やし、また両国の学術交流を拡大するための方策について、意見交換を行った。

その後大使は、社会・国際貢献情報センター主催の講演会で、「クウェート国における民主制と立憲主義の道程」と題した講演を行った。和田昌親同センター長の司会により始まった講演は1時間30分に及ぶもので、会場は満員となる盛況だった。講演は、クウェートの歴代統治者と人々の間に歴史的に根付いている、独特な民主主義の実情に焦点を当てるものであった。

講演は高度に学術的なもので、学内からでなく、日本国政府関係者や政府外郭機関、地元の商工会議所や石油会社など、一般社会からも幅広く参集した聴衆は、普段知ることのない内容に感心して聞き入っていた。講演の最後には、大使は会場の聴衆からの質問を促した。聴衆からは、いくつもの鋭い質問が上がり、大使はそれぞれに真摯に、教育的で洞察的な回答で応じていた。

聴衆は、大使の講演は、日本人の間ではあまり知られていないクウェート国の近代史や政治の実情を垣間見ることのできる、貴重な機会であったと称賛した。大使もまた、一連の行事に思いがけず多くの学生や一般聴衆が参加してくれたことに感謝を表し、今後も、より多くの機会を捉えて、クウェート国とその独特な社会背景についての知識を、日本の皆さんに広めたいとの決意を新たにした。